WHY
細菌やウィルスの
見えない脅威から
我々を守るデザインとは?
HOW CAN DESIGN
PROTECT US FROM THE
INVISIBLE THREATS OF
BACTERIA AND VIRUSES?
ホモ・サピエンスが地球上に登場して以来、人類にとって最大の脅威の一つは、常に感染症を引き起こすウイルスや細菌でした。古くは結核、コレラ、ペスト、近年ではエボラ出血熱、AIDS、鳥インフルエンザ、SARS、そして新型コロナウイルスなど、人類は数多くの感染症と闘ってきました。これらとの闘いは、常に人類史上の大きな課題であり続けています。
感染症の予防を目的とした公衆衛生の改善や啓発活動は、医学や疫学の分野だけでなく、宗教上の慣習や神話、浄化儀式などの文化的な営みにも深く組み込まれてきました。また、感染症のパンデミックは、社会の大きな転換点となることも多く、ペスト流行後のルネサンス、スペイン風邪後の近代デザインの勃興など、文化や創造性が大きく発展するきっかけにもなっています。感染症の流行は、それまで潜在していた社会課題を明らかにし、新しいテクノロジーやデザインの登場を促してきました。
たとえば、モダニズムの流れを汲む近代デザインは、多くの人々に衛生的な環境を提供することを目標の一つとしていました。また、当時は識字率が低かったため、視覚を通じて情報を伝えるグラフィックデザインが発達したように、公衆衛生への取り組みは現代デザインの起源の一つでもあるのです。
国境を越えて人々が自由に行き来する現代社会では、感染症の拡大速度がかつてないほど速まっています。一方で、私たちはインターネットを通じて感染症や公衆衛生の知識やノウハウを即座に世界中で共有できるようにもなりました。
このような時代の中で私たちデザイナーは、感染症対策や公衆衛生への取り組みが、黎明期のグラフィックデザインやインダストリアルデザインなどの新しい文化を生み出す契機になってきた歴史を改めて捉え直す必要があります。グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、建築デザイン、コミュニケーション設計など、多様なデザインの力を最大限に活かし、感染症によって苦しむ人々を少しでも減らすとともに、新しい文化や生活のあり方を社会に提案していくことが、デザインが果たすべき重要な役割ではないでしょうか。
WHOによるCOVID-19感染者数と死亡者数の週次報告

TIPS FROM NOSIGNER
衛生デザインに
おけるポイント
KEY POINTS
IN HYGIENE DESIGN
POINT 01
見えない脅威を視覚化する
ウイルスや細菌は目に見えない存在であるからこそ、グラフィックデザインやヴィジュアルコミュニケーションによってその存在や特性を視覚的にわかりやすく伝えることが重要になります。見えない脅威を適切に可視化することで、人々が感染症のリスクを自分ごととして認識し、正しい予防行動へとつなげる第一歩となります。

POINT 02
行動変容を促す
コミュニケーション
パンデミックから人々の命を守るためには、感染症の基礎知識や予防方法、ワクチン接種の重要性などを広く伝えることが必要不可欠です。医学的に裏付けられた情報をインターネットをはじめとした情報インフラを活用し、分かりやすく魅力的に発信・共有するコミュニケーションを設計することで、パンデミックを乗り越える機運を醸成し、人々の自発的な行動変容を促します。

POINT 03
感染拡大を防止するツールの開発
デザイナーや建築家には、公衆衛生を保つための道具やインフラ、さらには都市設計に至るまで、感染症対策のためのツールを創造するチャンスがあります。それはクライアントの依頼を待つだけではなく、自ら課題や可能性を見つけ、提案することで実現できるかもしれません。さらに、非常時だけでなく平常時にも役立つデザインを考えることができれば、感染症に強いレジリエントな社会を築き、人々のウェルビーイングを向上させることにもつながります。

RESULTS
衛生デザインの効果
RESULTS THROUGH
HYGIENE DESIGN
DESIGN CASES
NOSIGNERの
衛生デザイン
“
『進化思考』太刀川英輔




