
PROJECT
PANDAID FACESHIELD
A4クリアファイルを3箇所切るだけでつくれるフェイスシールドの型紙を無料配布。 COVID19対策で世界中の医療機関で活用された。

WHY
防護具が足りず、
医療現場は
命の危険があった。
2019年12月に最初の症例が確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、瞬く間に世界中に広がり、人類史上有数のパンデミックを引き起こしました。
この感染症によって世界中で多くの尊い命が失われ、増え続ける重症患者によって、崩壊の危機に瀕している医療機関は少なくありません。また、人工呼吸器やフェイスシールドなどの医療用防具が慢性的に不足する状況も続いていました。
こうした課題を解消し、世界中の医療従事者たちが強いられている多大なる負担を、少しでも軽減することが世界的なテーマとなっていました。
HOW
クリアファイルのみで
つくるフェイスシールド。

パンデミックから命をまもるためのウェブサイト「PANDAID」を立ち上げたNOSIGNERの太刀川英輔は、活動の一環として、A4サイズのクリアファイルから簡単につくれるフェイスシールドを開発しました。このフェイスシールドは、型紙をクリアファイルに入れ、線に沿ってハサミでカットするだけで、およそ30秒で完成します。
特殊な機器や工具を必要としないこのフェイスシールドの型紙をオンラインで無料配布し、つくり方を紹介した映像をSNSなどを通じて配信。医療用防具の慢性的な不足という課題の解決に向け、オープンデザインによって誰もが簡単に自分ごととして活動に参加できる状況をつくり出しました。




ヘッドバンドを3段階に調整できるようになっています。

WILL
非常時に必要なものを、
自分たちで
つくれる未来へ。
フェイスシールドのつくり方を紹介した映像はSNSやYouTube上で累計100万回以上再生され、TVをはじめ多くのメディアにも取り上げられました。結果としてこの取り組みは多くの共感を生み、北里大学病院では院内で1万枚を自主生産し、東京大学病院などその他多くの病院でも採用されました。また、自社オフィス内のスペース「LODGE」で8,000枚を量産したYahoo! JAPANをはじめ、大企業から個人の小学生までがフェイスシールドを自作し、医療機関に寄付するケースも相次ぎました。
ムーブメントは日本国内にとどまらず、アメリカ、フランス、韓国、タイなど各国の医療機関に多くのフェイスシールドが行き渡ることとなり、各地から感謝の声が届けられています。
物資の不足を自ら補えることを示したこのフェイスシールドは、今後も予想される感染拡大の波に備える上で、ひとつの安心材料となるはずです。ブリコラージュの発想のもと、非常時に必要なものを自分たちでつくることができる創造的な未来が実現されていくことを、私たちは願っています。

依然として新型コロナウイルスが猛威を振るう中、日頃よりお世話になっている方々の無病息災を願って制作したものです。
INFORMATION
- What
- PANDAID FACESHIELD
- When
- 2020
- Where
- Japan
- Scope
- Photograph / Product Design / Concept Development / Video
- Award
- TIDA Taipei International Design Award: Silver Award (Industrial Design Category) (2020)
- TIDA Taipei International Design Award: Judge’s Special Award (Industrial Design Category) (2020)
- DIA Design Intelligence Award: Honorable Mention (2021)
- SDGs
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Product Design
- NOSIGNER(Eisuke Tachikawa, Lee Niyen)
- Video Producer
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Lee Niyen, Jin Nagao)
- Photograph
- CCDN(Yuichi Hisatsugu)