
PROJECT
CQ : Carbon Neutral Quotient
脱炭素ライフスタイルの数値とその影響を可視化することで、カーボンネガティブな社会への行動変容を促すサービスブランド。

WHY
ぼくらの生活は
脱炭素化できるのか。
この50年の間に台風やハリケーン、集中豪雨などの気象災害はおよそ5倍に増えました。そんな気候変動の大きな原因が、CO2をはじめとする温室効果ガスです。近年ますます加速する気候変動への対策は、私たちの文明を持続可能にするための最重要テーマとなっています。しかし、その対策は極めて遅れをとっており、現在のペースで温暖化が進むと、2100年までに地球の温度は約4.5度上昇すると予測されています。これは気候の不安定化による気象災害のさらなる増加や感染症の蔓延、天然資源の枯渇など加速度的な破壊にもつながり、未来の生活はさまざまな側面で脅かされるでしょう。
報告された災害数の傾向

予想される気温の上昇(度)

日本のライフサイクルから発生する温室効果ガス排出量(消費ベース)

最悪のシナリオに向かっている現在、脱炭素社会への移行は産学官民すべてのセクターにまたがる全世界的なミッションです。脱炭素社会が実現するには、国の政策や産業のあり方を根本から見直す必要があると同時に、生活者一人ひとりが自らのライフスタイルを更新することも不可欠です。なぜなら二酸化炭素は生活のあらゆるところで発生しているからです。しかし、自らのCO2排出量を把握している人は極めて少ないのが現状です。
この全人類が取り組むべき困難な課題を、私たち一人ひとりが自分ごととして認識し、行動変容できるのか。それが喫緊の課題となっています。
HOW
ライフスタイル脱炭素化の
新しい知能指数。

脱炭素ライフスタイルの構築に向けた新サービスのコンセプト開発に携わることになった私たちは、脱炭素の新たなプラットフォームとなる指標「CQ」の企画とデザインを手がけました。
CQとは、脱炭素のライフスタイルを評価する新しい指標です。CQは知能指数「IQ」と同様に、現在の偏差上の平均値を100としてスコアを可視化します。またCQは自分の脱炭素行動をセルフチェックする指標なだけでなく、環境に良い選択を促すライフスタイルブランドでもあります。
CQでは、指標を高めて周囲から喜ばれる状況を生み出し、毎日の暮らしを楽しみながらCO2を削減するライフスタイルを発信します。そして地球と共生できる社会をみんなでつくる、新しい脱炭素のムーブメントを醸成していきます。


CQは、個人の脱炭素アクションを可視化する指標だけでなく、脱炭素プロジェクトに取り組む事業者や団体等とのコラボレーションを通じて、生活の様々な領域でのカーボン・ネガティブ(=温室効果ガスの吸収量が排出量を上回っている状態)を実現するブランドになることを目指しています。その第一弾となる実証実験として、2022年9月に開催された音楽フェスティバル「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2022」で発生したCO2を、体験設計やノベルティ等を通した募金活動によってオフセットし、カーボンニュートラルなフェスを実現しました。

フェスに参加する人数分のCO2排出量に相当する寄付を募るため、カーボン・オフセットした人数を印刷したコラボTシャツやタオルをデザインしました。また、カーボン・オフセット済のCQオリジナルTシャツやエコバッグなども制作。これらに印刷された「NEUTRAL」「NEGATIVE」の文字は、それぞれカーボン・ニュートラル、カーボン・ネガティブを意味しています。「NEGATIVE」という言葉をあえてポジティブに扱うユニークな視点によって、脱炭素のムーブメントを広げていくことが狙いです。




ロゴデザインは「CO2」という文字列を収縮させた造形となっており、CO2を抑制するというプロジェクトの目標を体現しています。これまでにない脱炭素行動を起こすムーブメントを示すために、新しさと環境のイメージが感じられるビビッドなグリーンを採用しました。



WILL
ゼロカーボンな暮らしが
当たり前の社会へ。
CQは、脱炭素への挑戦をする個人や団体を応援するプラットフォームの標準となり、炭素や環境負荷が少ない選択をクールなライフスタイルとして社会に定着させることを目指しています。一人ひとりが脱炭素行動を意識すれば、気候変動は最小限に抑えられ、社会は持続可能に近づきます。こうした環境に優しいライフスタイルを応援し、自分や誰かのために前向きに実践する人が増えれば、生活の「当たり前」は変わっていくはずです。
カーボン・ニュートラルの達成という全世界の課題を、みんなの創造力で乗り越える大きなムーブメントとして広げるために、私たちはこのプロジェクトに並走し続けます。

INFORMATION
- What
- CQ : Carbon Neutral Quotient
- When
- 2022
- Where
- Japan
- Client
- Scope
- Branding / Logo / CI Guideline / Motion logo / Promotional items / Application Design / Web and Front End / Promotion Strategy Support / Concept Development / Clothing Design / Naming / Tagline
- SDGs
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryo Fukusawa, Noémie Kawakita)
- Motion Design
- Aco Hsu, NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryo Fukusawa, Noémie Kawakita)
- Web Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryo Fukusawa, Noémie Kawakita)
- Development
- NOSIGNER (Naoki Hijikata)
- Photograph
- NOSIGNER (Yuichi Hisatsugu)