
PROJECT
東京備食
災害時の食料備蓄を日常に取り入れるフードデザイン。非常食のイメージを一新し、普段使いできる魅力的な防災食文化を創造。

WHY
最も苦しい災害時に、
少しでも
気持ちを保つために。
大震災などの災害が起きた後、すべてのライフラインが復旧するまでには、およそ72時間がかかると言われています。避難所の数に限りがある中、900万人以上の人口を抱える東京では、多くの都民が在宅避難を余儀なくされる可能性が高く、その間に命をつなぐためには、最低でも9食分の食料備蓄が必要だとされています。しかし、水や食料の備蓄を日常的に行っている都民はおよそ50%で、特に一人暮らしの若年層では備蓄をしていない人がほとんどというのが現状です。また、極限状態に置かれる災害時にこそ、単に栄養を取るためだけではない、「おいしさ」を感じられる食事が、心を救ってくれる大切な要素になるはずです。災害時に備え、人々の命と心を支えるおいしい備蓄食をつくり、多くの人たちに備蓄の習慣を根付かせることはできないのでしょうか。
HOW
本当に美味しい
防災備蓄食を
提供するシステム。

私たちは、全都民に配布された防災ブック「東京防災」を共に手がけたクリエイティブチームとともに、東京を代表する名店「賛否両論」の笠原将弘シェフ監修のもと、おいしさを追求した3食分の備蓄食を開発し、オリジナル編集のコンセプトブックをセットにした「東京備食」を製作しました。将来的には、雑誌の定期購読のように、定期的に届けられるローリングストック型の備蓄食ブランドにしてくことを見据えたマガジン風のパッケージデザインは、日常的に本棚に飾っておくことができるため、災害時に食料を備蓄していた倉庫にアクセスできないといった問題の解決にもつながります。また、およそ70ページのコンセプトブックには、災害時に役立つアイデアレシピや備蓄チェックリストなど防災意識を高めるコンテンツが収録されています。
缶詰のパッケージの上面には、中身をお皿に装った時の写真が印刷され、ひと目で内容物がわかるデザインになっています。




















WILL
試験販売は成功を収め、
今後の展開に
期待が集まる。
東京備食は、クラウドファンディングで目標金額を大幅に上回る資金調達に成功するなど、リリース前から大きな注目を集めることができました。そして、日本最大のコンビニエンスストアチェーンと提携して行われた試験販売においても、備蓄食のクオリティや、ギフトなどにも使えるデザイン性の高さなどから、メディアやSNSなどで大きな話題となりました。備蓄食の文化を日本に広く根付かせていくことを目指す「東京備食」の活動に、ぜひ今後もご期待下さい。
INFORMATION
- What
- TOKYO BISHOKU
- When
- 2017
- Where
- Tokyo, Japan
- Client
- Scope
- Branding / Logo / Packaging / Infographic / Book cover and inner page design
- Award
- Red Dot Award (2022)
- iF Design Award (2022)
- 日本文具大賞 (2020)
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa), DENTSU INC. (Ryosuke Sakaki)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Andraditya Dhanu Respati)
- Design and Editorial
- Tokyo Bishoku Creative team
- Food and Menu
- COOKQUATER, KOKUBU GROUP CORP.